君に贈る
「本当に俺の子か?」


「本当に琉生の子。私はずっと、今でも好き」


「「っ」」


今にも泣きそうな美里さん


琉生は美里さんを見たまま固まった


「琉生、パパになって?」


「…」


琉生の‥子供‥


私は居ても経ってもいられなくて琉生の手を払って走った


一人になりたい


走って走って


家の近くまで来て歩き出す


待ち切れなった涙は流れ出す


琉生が‥パパ‥


私は頭を抱えた


そのとき腕を引かれた


「っ」


振り返ると悟だった


「離して」


「沙菜‥」


「離してよ!」


そっと離れる手


私は地面を見つめた


「沙菜‥」


「どうしてっ‥」


私はため息をついて再び歩き出した


でも腕を引かれ悟の胸に納まった
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