君に贈る
琉生と待ち合わせをして電話を切る


でも‥言わない方がいいことだってある?


イヤ、悪いことしたんだから言うべきでしょ


でも聞いて琉生が苦しんだら?


それなら私一人が苦しんだ方が‥


言わない方が‥いいよね


私は急いで準備をして家を出た


私は悪い女かもしれない


浮気した‥


そればかり頭の中を駆け巡る


曲がり角を曲がると公園が見えてくる


そこのベンチに座る琉生を見つけたとき、私は胸がギュッとなった


「琉生っ」


「沙菜」


余裕のない笑顔を浮かべる琉生


私は琉生の隣に座った


「沙菜‥昨日はごめんな、嫌な思いさせて」


「そんな‥琉生のせいじゃ‥」


「いや、俺が悪い」


「…」


琉生はそう言って口を閉じた


「ちょっと歩くか」


「うん‥」


二人の間に何か違和感を感じる


ちょっと壁ができたような‥


琉生は、実質パパなのだから‥


二人で公園の遊歩道を歩く
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