君に贈る
琉生の隣を歩く


私、琉生の彼女の資格ない‥


私は泣きそうになった


そのとき右手が大きな手に包まれた


私は琉生を見上げた


琉生は真っ直ぐ前を向いて歩いていた


琉生‥


「琉生‥」


「ん?」


琉生は、私を許してくれる?


「ごめんね‥」


「何が?」


「私‥」


「うん」


そんな優しい声で聴かないで


そんな優しい顔で見ないでよ‥


やっぱり傷つけたくない‥


「何でもない」


私は無理やり笑った


「沙菜」


「ん?」


「一緒に住まないか?」


「えっ‥」


琉生は立ち止まり私を見下ろした


私も立ち止まり琉生を見上げる


「イヤじゃなければだけど」

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