君に贈る
裕はすぐに目を逸らした


温泉行って以来会ってない


「ねぇ‥飲み行かない?」


「いいけど」


感情の無い声で答える裕にズキッと心が痛んだ


二人で居酒屋に入る


席につきビール二つと軽く頼んだ


「何かあった?」


「…」


裕はどこか一点を見て固まっていた


私はそれ以上聞けなくて


ビールがくると一気飲みする裕


沙菜のことかな


そう思った


「今日は飲もう、ね?」


「あぁ」


どんどん飲んでくうちに口数が増えてくる裕


「沙菜って男何人いんの?」


「え?」


「俺のどこが悪い?」


「裕‥」


「何で俺じゃないんだよ‥」


「…」


私は何も答えてあげられなかった


「愛理‥俺のこと好きなんだろ?俺と付き合えよ」


「っ」
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