君に贈る
「そういうことだから」


私は紙と携帯を持って事務所を出た


廊下に出てダイヤルを押す


あれこれ考えずにかけてみよう


TRRRRR TRRRRR



「はい」



あ、出た



「あ、私、沙菜」


「あぁ今仕事中なんだけど」


「っえ?」



仕事?



「かけ直す」


ツーツー


はい????


仕事してんの!?てっきり大学生かと‥


先輩とは聞いたけど、何歳なんだろ‥?


私は携帯を見つめ固まった


何の仕事してるんだろ


私は携帯を持ったまま立ち尽くしていた


「沙菜っ」


愛理が私に駆け寄る


「愛理」


「ちょっと、説明が足りなさすぎ」


「‥フッ」


昨日の私のようで笑えた

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