君に贈る
数日後


私は引越しに追われていた


段ボールに荷物を詰め込む


「あ、ガムテもうないし」


私は近くのコンビニに行くことにした


コンビニの帰り、悟がマンションのエントランスにいた


私はシカトして通り過ぎようとした


「沙菜っ」


「…」


私は立ち止まるだけで悟の方は見ない


「体調どうだ?」


「はい?」


思わず振り返ってしまう


「吐き気とかないか?」


「悟、何なの?」


意味がわからない


「妊娠してないのか?」


「何言ってるの?」


冗談もいい加減にして


「俺、お前抱いたんだ」


持ってた荷物をドサッと落とす


「…え?」


「それいつだよ」


悟の後ろから声がして視線を送った


「っ‥」


琉生‥

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