君に贈る
「どういうことだよ!」


琉生は悟の胸倉を掴んだ


「沙菜を酔わせて抱いた」


「っ」


私は信じられなくて口を両手で押さえた


「沙菜は俺のもんだ」


「ふざけんな!」


私は思い出した


美里さんが現れたあの日だ‥


私は体が震えだす


「沙菜は感じてたけど?」


クスッと笑いながら言う悟にゾクッとする


「っ‥」


琉生は悟から離れ私の手を引いて歩き出した


涙が溢れだす


琉生の車に乗せられ、琉生はアクセルをふかした


ヤダ‥


お願い


妊娠してませんように‥


ヤダ‥


「沙菜、アイツと飲んだのか‥?」


恐る恐る聞く琉生


私はコクンと頷いた


琉生は頭を抱え首を振った


ごめんなさい‥


ごめんっ‥


ポタポタ落ちる涙


着いた場所は産婦人科


「行こう」


「いやっ」


「検査してみないと」


「怖いよ‥」


「大丈夫、俺がそばにいる」


私は琉生を見つめた


琉生は優しい顔で私を見ていた

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