君に贈る
リビングのソファに座る父さん


「父さん、紹介するね。桐谷琉生さん」


「初めまして」


「沙菜の彼氏か?」


「はい」


「沙菜、お前は二股かけてるのか?」


「「えっ?」」


二股?


「昨日沙菜と結婚させてくださいって男が来たぞ?」


「父さん‥それ‥」


「名前は悟くんって言ったかな」


「「っ」」


顔が引きつる


悟昨日ここに来たの?


私は隣にいる琉生を見上げた


「ま、わしはどっちでもいいけどな♪」


はぁ‥


父さんはニコッと笑った


「まぁ、座りなさい。沙菜、コーヒー淹れてくれ」


「うん」


私はキッチンへ向かう


もし悟がお母さんにも会ってたら‥


私は首を振ってコーヒーを淹れた


トレイに入れリビングに戻る


「沙菜、わしは琉生くんがいい♪」


「父さん‥」
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