君に贈る
「ははっ沙菜さんは母さんと性格が似てるのかもしれないな」


父さんは吞気に笑ってるが‥


「沙菜、ちゃんと認めてもらおう」


「無理よ、絶対」


おいおい‥マジか‥


それでいいのか?


「父さん、母さんの親と会ったりすんの?」


「いや、全くだな‥どうも嫌われたみたいで」


苦笑いしながら言う父さん


「沙菜、俺は沙菜の両親とちゃんと向き合った方がいいと思う」


「琉生‥」


俺間違ってるか?


でも俺はそうしたいんだ‥


沙菜を生んでくれたのは他でもない、沙菜の母さんだ


沙菜の母さんが沙菜の父さんに出会い、結婚してなかったら沙菜に会えなかった


俺は大事にしたい


ダメか‥?


俺は真っ直ぐ沙菜を見た


「ありがと、琉生」


「琉生も大人になったわねぇ」


母さんが急に後ろから現れドキッとした


いつからいたんだよ


「母さん‥いやいいや」


「何~?」


はぁ


でも、母さんが無理矢理父さんと結婚しなかったら俺はないわけで


そう考えたら、沙菜と出会えたのは奇跡だと思う
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