君に贈る
悟と結婚するために家を探せとか言わないよね?


琉生と別れないなら家族の縁切るとか言わないよね?


そんな大袈裟なことを考えてたんだけど‥


お母さんのアパートを訪ねるとお母さんは真っ先に聞いてきた


「悟くん、調べたらニートらしいじゃない」


「うん、それがどうかしたの?」


「じゃあ琉生くんと結婚しなさい」


「…はい?」


拍子抜けして思わず聞いてしまった


それって認めて‥


「琉生くんと結婚しなさい」


「お母さん!ありがとう!!!」


私はお母さんに抱きついた


琉生が聞いたら喜ぶよ


私はすぐに琉生に電話をかけた


「琉生!お母さんが認めてくれたよ!」


「そっか」


「あれ、それだけ?」


「帰ったら話すよ」


「う、うん」


まるでそうなるとわかってたかのような琉生の口調


何何?


電話を切りお母さんを見ると優しく微笑んでいた


「お母さん、何があったの?」


「何もないわよ」


「怪しいんだけど」

< 179 / 418 >

この作品をシェア

pagetop