君に贈る
俺はベッドに横になり天井を見つめた


「そだ、沙菜結婚すんでしょ?」


「あぁ‥らしい」


「じゃあ式をめちゃくちゃにしちゃえば?」


「は?」


俺は愛理を見た


愛理は変わらず雑誌を見たまま


「式の最中に花嫁を奪う。ドラマみたいじゃない?」


「古いだろ‥」


「そうかなぁ?」


花嫁を奪う、か


「いっそ殺しちゃえば?」


「っ‥おい」


何言ってんだ、こいつ


「式の最中に花嫁を殺すのよ」


「…」


こいつ頭大丈夫か?


「そして自分も死ぬ。新しいドラマの誕生だわ」


「…愛理、お前本気で言ってんの?」


本気なら人間失格だぞ


「本気よ、何なら私がしてあげてもいいけど?」


「っ」

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