君に贈る
部屋に入りソファに腰を下ろした


「コーヒー飲むか?」


「いや、いい」


悟もソファに座る


「「あのさ」」


二人の言葉が重なる


「先言えよ」


そう言うと悟は目を逸らした


「琉生‥悪かった」


「‥何のことだよ」


「俺‥」


沙菜のことか?


「愛理ちゃんと組んで俺らを別れさそうとしたことか?」


「っ」


悟は何で知ってるんだと言わんばかりの顔で俺を見た


「やっぱりそうなのか?」


「どうしてわかったんだよ‥」


「沙菜の勘だ」


「っ‥え?」


悟は頭を抱えた


「もういい。終わったことだ」


「琉生‥頼みがあるんだ」


「何だよ」


悟は俺を真っ直ぐ見つめた


「愛理を止めてくれないか?」


「…は?」

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