君に贈る
違う人だよね?


でももしそうだったら‥


私ちゃんと裕に伝えてないよ‥


本当に心から好きだったって‥


言えてないのに‥


ごめんも言えてないのに‥














コンコン


またドアがノックされる


でも入ってきたのは琉生くんだった


「愛理ちゃん‥」


「‥誰ですか?」


私は記憶喪失のフリをする


「えっ‥愛理ちゃん‥?」


私は首を傾げて琉生くんを見た


どうして琉生くんが来るの?


何で私がここにいるって知ってるの?


「何も‥覚えてないの?」


私はコクンと頷く


過去を消し去りたいのに、はっきり覚えてる


自分を消し去りたいのに、生きてるの
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