君に贈る
琉生くんは棚の上にフルーツバスケットを置いた


「これ、食べて」


「ありがとう‥」


「愛理ちゃん‥沙菜のことも忘れた?」


「誰ですか?」


「…」


琉生くんがそんな悲しそうな顔しないでよ


忘れたフリした方がきっといいに決まってる


何もかも‥


これは私への罰なんだと思う


沙菜を傷つけて、悟も傷つけて‥裕まで‥


「その、沙菜って子私の‥」


「友達だよ。親友だって言ってた」


「っ‥」


「沙菜は後悔してる‥愛理ちゃんが事故にあった日、喧嘩したこと」


えっ‥沙菜が‥?


「言い過ぎたって」


私は泣きそうになった


「ごめんなさい、覚えてないの」


「そっか‥」





本当ははっきり覚えてる‥


でもこうするしか、私にはできない‥
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