君に贈る
沙菜SIDE

私は裕のいる病院に来た


足が重くてなかなか進まない


霊安室に向かう途中、病室から出てくる琉生を見つけた


「‥琉生?」


「沙菜」


どうしてここにいるの?


「誰かのお見舞い‥?」


ふと表札を見ると意外な人物の名前が見えた


「えっ‥どういうこと‥」


「沙菜‥」


「愛理いるの!?」


私はドアをノックせずに開けた


「「っ」」


部屋の中には足にギブスをし頭に包帯を巻いた愛理の姿があった


「愛理!?」


私は愛理に駆け寄った


「ごめんね‥愛理‥私‥」


「誰ですか?」


「えっ‥」


愛理はキョトンとした顔で私を見る


「愛理‥私、沙菜だよ‥」


愛理は首を傾げ私を見る


「嘘‥愛理まで失いたくないよ‥」


涙が溢れだした


愛理‥思い出してよ‥
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