君に贈る
愛理SIDE

沙菜が来たのは驚いた


バレてないよね、記憶喪失のフリしてること


沙菜が廊下で泣く声がする


「裕がっ‥裕がっ‥」


え‥


沙菜の言ってるユウって、裕なの‥?


じゃあさっきのっ


『さっき運ばれてきたユウって子、亡くなったみたい』


嘘‥


何で裕が死んで私が生きてるのよっ!!


私は枕を思いきり投げた


おかしいよ‥


私が死ぬべきなのにっ‥


「っ‥」


涙が溢れだし私は布団に潜りこんだ


裕が何したっていうの‥


代わってあげられたらいいのにっ


私が死ぬのにっ‥


いや‥


裕っ‥裕っ‥


ごめんなさいっ‥


許してなんて言わない‥かえってきて‥


どんな罰でも受けるから‥


裕っ‥


コンコンとノックの音がしてドアが開く音がする
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