君に贈る
私は布団に潜ったまま


「愛理ちゃん、ごはんおいとくわね」


看護師の声がする


こんなときにご飯なんて食べたくない


「そうそう、今日の昼過ぎに運ばれてきた男の子のポケットに入ってたの、これも置いておくわね」


え‥


ドアが閉まる音がして私は飛び起きた


ご飯の隣にチョコンと乗ったベージュの小さな紙袋


私はそれを取り中身を出した


中にはメモとネックレス


『愛理へ  ごめんな、俺バカだから。これで許してもらおうとは思わないけど、俺は沙菜が好きだ。愛理、ごめん。』


別れの手紙だった


じゃあ何でネックレスなんてくれるのよ‥


余計忘れられないじゃない‥


「‥バカ‥」


私はネックレスを握りしめ涙を流した
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