君に贈る
琉生の優しさに触れ泣きそうになる


「泣くのは食ってからな。多分うまいとは思うけど」


「フフッ」


そうだね


私は涙を堪えて手を合わせた


「いただきます」


「いただきます」


こうやって琉生がいてくれるだけで幸せだと感じる


いつもと変わらない朝


いつもと変わらないはずなのに‥


今日も裕に会えないの?‥


ねぇ裕‥来世でもまた会えるよね?


赤ちゃんだって、また来てくれるよね?


私は泣きながら食べた


それを見ても琉生は何も言わなかった


ただ一緒に朝食を食べてくれた


「沙菜、今日は一緒に歩いて通勤するか」


「え‥?」


「な?」


優しく微笑む琉生


「‥うんっ‥」


私は震える声で頷いた


朝食をとり支度する


いつもと同じことを今日もする
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