君に贈る
大事な人を2人も失い、親友も‥


それなのに私はいつものようにメイクして


いつものようにセットして‥


変わったのは心だけ‥


変だよね‥


だけど全てが狂ったように感じる


「沙菜、行くぞ」


「あ、うん」


私は今日も仕事へ行く


それが社会人で‥


琉生と手を繋いで街を歩く


桜並木はまだ蕾の段階


咲くのはまだ先のことみたい


「早く暖かくなりゃいいのにな」


「そうだね‥」


『いつもの生活』に戻れるには、どのくらいの時間が必要なんだろ‥


会社までの距離がいつもより遠く感じた


琉生は会社まで送ってくれて


「琉生、ありがと」


「いや、じゃまた夕方にな」


「うん」


琉生の愛を感じた瞬間だった


琉生がいてくれて、本当によかった‥
< 224 / 418 >

この作品をシェア

pagetop