君に贈る
会社に入ると所長が私の席に座って腕を組んでいた


「しょ‥しょちょ‥」


所長は椅子をクルッとまわし私を見上げた


「昨日はどういうことかしら?」


「すっすみませんでした!」


私は深くお辞儀をする


「謝るのは理由を聞いてからでいいわ」


私は頭を上げ説明する


友達が交通事故で亡くなったこと


それから‥愛理が入院していたこと


「そう、じゃ、3日分の仕事頑張ってね」


「っ‥」


え‥それだけ?


人一人亡くなって、人一人入院してるのに‥


私は椅子にストンと座りため息をついた


辛かったでしょって言ってほしいわけじゃない


そうじゃないけど‥


薄情っていうか‥


私は3日分の仕事を目の前にしてげっそりした


仕方ない‥


昨日は大変だったんだもん‥


私は集中できないながら仕事を始めた


仕事は残業になり、琉生には先に帰るように伝えた


仕事が終わったのは日が変わるちょっと前
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