君に贈る
私は泣きそうになった


琉生のお母さんは私を抱きしめてくれた


「私も一度流産の経験があるけど、自分のこと責めるのはダメよ」


「っ‥」


「赤ちゃんはね、すぐ近くで見てるのよ?」


「え?」


お義母さんはそっと離れ私に向かって笑った


「前向きなお母さんのところにはすぐに来てくれるわ」


「前向きなお母さん‥」


「そう。だから、ここはいつも開いてなきゃね」


そう言って私の胸とデコルテの間を指差した


つまり、心ってこと?


「閉ざしちゃダメよ」


そう言ってウインクするお義母さん


「っ‥はい」


「イイ子」


頭を撫でてくれるお義母さん


私は必死に泣くのを我慢した


強くならなきゃね‥


「さ、食べましょ」


「そうね」


それからワイワイと盛り上がった


お義母さんは強いって思った


いつも笑顔で場の雰囲気を明るくする
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