君に贈る
私のお母さんもこうだったらお父さんと離婚しなくて済んだのに


でもお母さんはお母さんで


よかったと思う


『沙菜は沙菜だ』


この言葉、琉生が前に言ってくれた言葉だった


裕が言ったとき、どっかで聞いたことあると思った


裕、ありがとう


今は裕に対して感謝の気持ちでいっぱいだよ


裕が亡くなったって知ったときは自分を責めた


自分があのときあぁしてれば、こうしてればって


でも、裕との思い出が私にはあるから


毎年会いに行くね


絶対会いに行く


今度私がそっちに逝くときは、いっぱい謝るから


今は、私の時間を過ごさせてね


ごめんね、裕


ありがとう


正直、赤ちゃんが亡くなったことよりも、裕が亡くなったことの方が辛い


思い出があったからかなって今は思う


赤ちゃん、ごめんね


まだ、私にはお母さんがなることは早いみたい


もう少し、琉生との時間を頂戴ね


あ‥もしかすると‥


『赤ちゃんはすぐそばで見てるのよ』
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