君に贈る
二人とも笑う


「沙菜、今度泣かされたら言えよ」


「ヤダ」


「何でだよ」


「泣かないから」


「フッ、幸せそうだな」


「うん」


幸せだよ


私は琉生がいてくれたから、今こうして笑えてる


悟にも、そういう相手が見つかるといいな


「ね、愛理と会った?」


「っ‥あぁ、会った」


「悟のこと覚えてた?」


「あ‥いや」


「そっか‥」


記憶失っちゃったのかな‥


でもその方がいいかもね


裕のこと知ったら愛理崩れちゃいそうだし


「でも寂しいな‥」


「沙菜‥」


「でも、また一から友達始めたらいいよね」


悟は私を見つめていた


私は立ち上がり悟を見た


「今から愛理のとこ行こうよ」


「え‥あぁ。あ、そう言えば今日退院だって言ってたっけ」
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