君に贈る
愛理SIDE

家に帰るとドアノブに紙袋が引っ掛かっていた


「何?」


中を覗くと小さな花束とお菓子が入ってそうな箱


そしてカード


『愛理へ  私は桐谷沙菜。退院おめでとう。私は愛理と同い年なんだ。私たち友達になりましょ?また行くね  沙菜』



「愛理ちゃんも一人じゃないみたいだね」


隣にいる孝雄が呟くように言った


私は胸が苦しくなった


どうして?


私沙菜の幸せ壊そうとしたんだよ?


それなのに何で‥


「誰かがいてくれるってのは、生きる励みになるでしょ?」


ポンと私の肩に手を置く孝雄


私は孝雄の胸を借りた


苦しかった


自分がしたことに対して


こんなにもイイ友達だったのに


どうして傷つけてしまったんだろ‥


「よしよし。愛理ちゃん、もう苦しむことないよ」


背中を擦ってくれる孝雄


「やり直せるチャンスがきたじゃん」


優しく囁くような声で私の耳に届く
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