君に贈る
本当は覚えてる


でも沙菜には言わない


てか、今になってみれば俺の先入観からくるものだし


「言ったよ!ねぇ何で?」


「マジ覚えてねぇんだけど」


沙菜は俺を疑う目で見る


俺は隠すのに必死


俺がムカつくって言ったのは


まぁ‥話せば長くなるし


単刀直入に言えば


悟だけが13股をかけてるように見えなかったからで‥


ま、これは忘れよう


「じゃ何で最初意味不明な行動とってたの?」


「意味不明な行動?」


「そう」


そう。じゃなく、どんなところが?


「例えば?」


「冷たくする割には付き合おうって言うし」


「…」


それを言うと全てを言うことになるんだが‥


「ね、どうして?」


何て答えればいい俺‥?


正直に言えば遊んでた


でもそれ言ったらなぁ‥


「琉生?聞いてる?」


「あぁ‥あんときは‥」


「うん」


真剣な顔で見るなよ‥


参ったなぁ‥


「沙菜が気になって‥」


「プッ琉生ってとことん不器用だよね」


「‥は?」


沙菜はクスクス笑って食器を片づけた


俺は必死に言い訳‥いや真実を隠そうと‥


ま、いいか


沙菜が深く考えてないなら


「つかとことん不器用ってどういう意味だよ」


「ははっ突っ込み遅」


沙菜はツボに入ったらしく声に出して笑った


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