君に贈る
家に帰ると琉生はパソコンに向かって仕事をしていた


「ただいま」


そっと声をかけてみる


琉生は振り返り笑った


「お帰り」


「コーヒー淹れるね」


「あぁ、サンキュ」


私はキッチンに向かった


琉生も背伸びしながら私についてくる


「どうだった?」


琉生は尚吾のことを言ってるんだと思う


「ダメ、でもね尚吾が紹介してくれるって」


「へぇ彼女いたとか?」


「ううん、しばらく恋は休憩するんだって」


琉生は何も言わず頷きながらソファに座った


ん?


「明日式場行くだろ?」


「うん、ドレス決めなきゃだしね」


なんだかんだ迷ってまだ決まってないっていう‥


「俺も行くから」


「うん」


何かこういうのドラマみたい


ドキドキする


楽しみだなぁ


「嬉しそうだな」


「当たり前だよ」


私はコーヒーを持って琉生の隣に座った


「なぁ」


「ん?」


「俺と結婚してくれるか?」


琉生を見ると真面目な顔してて


「何?急に?」


私は冗談なのかと思ったけど


「答えて」


真面目に言ってるみたい


「もちろん、宜しくお願いします」


私は軽くお辞儀した


琉生はホッとしたかのように笑った


「何かあったの?」


「いや‥」


琉生の顔は無理して笑ってるように見える


「琉生、正直に言って?」


「‥いや‥お前がどっかいきそうで不安」


え‥
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