君に贈る
その日の夜


私は愛理に琉生の家まで送ってもらった


「すごいとこ住んでんのねぇ」


「○○会社社長だもん普通でしょ」


「頑張ってね」


「ん、ありがと」


「何かあったら連絡しなよ」


「サンキュ~」


ドアを閉め私はマンション入り口まで歩いた


時刻は7時半をまわったとこ


そろそろ帰ってくるよね?


空を見上げると今にも振りそうな真っ黒な雲


寒いなぁ


早く帰ってきてよ~


そのとき電話が鳴った


私は鞄から携帯を取り出し電話に出た


「はい」


「沙菜今から会えない?」


男友達からの誘い


「ごめん今日無理」


「そっか、最近顔出さないけど、元気なのか?」


「うん、元気だよ」


それからしばらくして電話を切った


そのとき、ふわふわの雪が降ってきた


「あ‥」


空を見上げるとチラチラと振ってくるふわふわの雪


「キレイ」


手に雪を乗せてみる


すぐに溶けてなくなった


腕時計は10時を過ぎようとしてる


でも琉生は帰って来ない


さすがにつま先の感覚がなくなってきた



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