君に贈る
だったら嫌いになれよ


「琉生、女の子には優しくしないと」


マスターはにっこりほほ笑む


俺はそんな気分になれない


「琉生」


振り返ると悟が来ていた


俺の隣に座りマスターに目で合図する


「何でコイツもいんの」


「このまま帰れないから」


「フッ」


笑いごとじゃねぇし


元はと言えば悟のせいだ


「えらい気に入られてんな」


「迷惑だ」


「琉生なんか言った?」


「あぁ」


言った


聞こえてるだろ


隣にいんだから


「で、どうしろって?」


分かってるだろ


「どうにかしろ」


「またそれかよ」


「当たり前だ」
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