君に贈る
こんなこと話してるとも知らないで結衣は男にべったりくっついていた


「尚吾、何か変だぞ」


「普通だって」


俺はジョッキに入ったビールを一気に流し込んだ


「やっぱ変だ。あ、お前もあの女気になってんだろ?」


「ちげぇし」


違うことないけど


「はいはい、じゃ俺が誘ってくるかな」


そう言って仲間が立ち上がった


俺は反射的に腕を掴んだ


「やめろ」


「何で、気になるんだろ?」


仲間は俺の手を払いのけ結衣に近づいて行く


俺はカウンターに背を向けた


「ねぇ、君可愛いね。一人?」


どう見ても違うだろーが


「見たらわかるでしょ?旦那様と一緒なの」


俺は恐る恐る見た


結衣は男の腕に絡んで仲間を睨んでる


旦那様‥


結婚すんのか?


「冗談だろ?」


仲間がからかうように言った


すると隣にいた男が振り向いて予想外の言葉を言った
< 287 / 418 >

この作品をシェア

pagetop