君に贈る
二人のやりとりがおかしくて笑えた


「ん?何このパンフ」


琉生がテーブルの上にあったパンフを一枚とり言った


「ふふっお母さんたちね、旅行に行くの」


「へぇ」


「そうそう、琉生。ちゃんと沙菜ちゃんのこと考えてるの?」


「考えてるよ」


「嘘!新婚旅行どこ行くか決めてないんでしょ!」


「それは式が終わってからでいいだろ」


「そんなんだと沙菜ちゃんに捨てられるわよ」


いや、捨てません


「わかったよ、考える。このパンフ頂戴」


「えっ」


えっって‥


「じゃな。沙菜、帰ろう」


「ちょっ琉生!」


慌てるお義母さん


私は思わず吹き出してしまった


「お義母さん、また来ます」


「沙菜ちゃんまでっ‥ちょっと何で帰るの」


廊下を歩きながらお母さん


「車だよ」


琉生は普通に答えたが‥多分さっきのは別の意味の何でだと思う


「もう!琉生明日迎えに来てね!」


「はいはい、じゃな」


私と琉生は桐谷家を後にした
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