君に贈る
「沙菜、取られてからじゃ、遅いんだよ‥」


「・・」


「沙菜‥」


まだ浮気が決まったわけじゃない・・


わけじゃない・・


「愛理・・」


私は涙を拭って立ち上がった


「ん?」


「何も知らないことにしてて」


「えっ・・でもっ「お願い」


私は荷物を持ち会社を後にした


きっと私は魅力が足りない


だから・・


ううん、疑ってない


疑ってない


琉生は浮気なんてしない


私は会社を出た足で美容室に入った


「いらしゃいませ。ご予約されていますか?」


「いえ・・」


「ではこちらでお待ちくださいませ」


私はソファに座り雑誌を手に取った


「失礼します、お客様、こちらにお名前、ご住所、お電話番号をお願いします」


「はい」


しばらく待った後、施術にかかった


「初めまして。今回担当させていただきます、黒瀬です」


黒瀬さんはとても落ち着いた感じの男性


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