君に贈る
「言わないと怒るよ」


「ごめ・・沙菜・・」


愛理は目を泳がせる


「何をしたの?」


「…その・・」


私は言うのを待った


「だって・・琉生くんが悪いんだよっ」


「え?」


「沙菜を不安にさせるから・・」


「…」


語尾になるにつれ声が小さくなっていく



私は目を逸らした


「だから私たちは仕返ししようとっ・・」


愛理は口を手で塞いだ


「何?・・琉生に何をしたの?」


「・・愛理、俺が考えたんだ・・愛理は悪くない」


「悟、琉生に何したの?」


心臓が激しくなる


「・・沙菜の家に・・」


「・・」


私は悟を見つめた


「離婚届を・・置いた」


「っ・・え?」


離婚届?


「どうしてそんなことっ」


「そうしたら琉生は沙菜のもとに戻ると思ったんだ」
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