君に贈る
焦って目の前のものが見えてないだけかも


落ち着いて


私は深呼吸をした


そして改めて探す


でも



「・・ない」



もし愛理たちの証言が嘘ならそれでいい


でも



本当だとしたら・・


そのときふと目に入った


琉生のかばん



「・・嘘・・」


私は泣きそうになった



琉生は見てしまったんだ


「あ、携帯」


私はバッグを漁った



「あれ・・おかしいな」


私はバッグを逆さにして中身を出した



「ない・・居酒屋・・?」


私は大きなため息をついた



いや



琉生を失いたくない


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