君に贈る
「沙菜、どうした?」


「ううん、何でもない」


友達かもしれないし


現に私だって“友達”の裕といる


気にしないでいいよね


店員さんに案内された席につく


お目当ての品を注文し、裕は私を見ていた


「裕この店好きだよね」


「フッ悪いかよ」


「私も好き、この雰囲気」


「だよな」


「うん」


ちょっとアンティークっぽくて、照明は暗め


「そういや雅喜が今度4人で遊ばないかってさ」


「4人?」


「愛理ちゃんに惚れてんだろ」


「あ~」


雅喜が愛理に恋かぁ


「愛理ちゃんあの合コンでうまくいった奴いんの?」


「ううん、何も言わないからできてないと思う」


「じゃ遊ぼうぜ?」


「OK~」


笑ってるけど、正直さっきの子が気になる


好きじゃないのに


一応彼氏だから気になるだけだよね


でも私には連絡すら‥


今メール送ってみる?
< 44 / 418 >

この作品をシェア

pagetop