君に贈る
私は玄関前で待った


インターホンが鳴りすぐに玄関のドアを開けた


「どうしたの?仕事は?」


琉生は何も言わずに中に入って行く


リビングに立ち尽くす琉生


「琉生?」


私は背中に向かって声をかけた


返事はない


私はコーヒーを淹れようとキッチンに向かったとき


「何で?」


琉生は振り返り私を見た


「…」


「理由は?」


「…だって‥ほら‥その‥琉生‥」


「…」


「仕事忙しくてすれ違いばっかだし‥」


それに‥


私は無理に笑った


キッチンに立ちコーヒーを淹れる


「社会人なんだから普通だろ」


「‥」


琉生はカウンターに座り私を見つめた


私は目を逸らし言葉を詰まらせる


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