君に贈る
沙菜SIDE

残業になった仕事を終え帰宅中


街を歩いてるとき


「琉生、私だけだよね!?」


声のする方を見ると昨日の子が琉生にしがみ付いていた


「いいから早く乗れ」


タクシーの運ちゃんはクスクス笑ってる


琉生もタクシーに乗り、走り去った





“琉生、私だけだよね!?”


だって


何だろう‥イラッとした


私は一人で居酒屋に入った


カウンターに座りビールと軽いつまみを頼んだ


はぁ‥


「あれ?」


声のする方を見ると裕が私の前に立って私を見下ろしていた


「やっぱ沙菜だ」


「裕‥どうしたの?」


「今日は雅喜が出てっから」


「そうなんだ」


雅喜は裕のバーの従業員でもあるからね


「ここだと思ったんだよ」


「え?」


「いや。すんませーん!ビール一つ~」


裕は店員さんに大きな声で言った

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