君に贈る
マスターは微笑んで酒を作り始める


俺は悟の隣に座り悟を見た


「沙菜に会って気持ち行ってきた」


「っ‥」


俺は悟から目を逸らした


何だこの焦る感じ


「でも沙菜は何も言わなかった」


ホッとする自分がいる


もう沙菜は悟を忘れ始めてるんだろう


まだ好きなら答えるだろうし、忘れ切ったならはっきり断るだろう


まだ揺れてるのか‥


「俺沙菜をどんな手使っても俺のもんにしたい」


「っ‥」


悟は俯き呟いた


俺は酒を一口飲んだ


そのとき携帯が震えた


俺は悟に見られないように携帯を見た





差出人:沙菜
件名:
――――――――――――
琉生‥今から会えない‥?




俺はそっと携帯をポッケにしまい小さくため息をついた


参ったなぁ


どうやって帰るか‥


来たばっかだしな‥


「なぁ、琉生」


「ん?」

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