君に贈る
悟SIDE

俺はいつものバ-に琉生といた


「悟‥話がある」


「何だよ改まって」


琉生はグラスを見つめて黙った


そんな深刻なことかよ?


そのとき俺の携帯が鳴った


TRRRRR TRRRRR


「えっ」


俺は携帯の画面を見て一瞬固まった


でも慌てて出た


「はい」


心臓が爆発しそうなくらいドキドキする


「悟‥」


「沙菜‥」


耳元で聞こえる愛おしい人の声


ヤバ、俺マジだ‥


「どうした?」


沙菜は黙ったまま何も言わない


「待ってろ、すぐに迎えに行く」


沙菜の返事を待たずに電話を切った


「悪い琉生、また今度話きくわ」


「…」


俺は心を弾ませながらバーを出た


沙菜に会えるってだけでこんなに嬉しい


俺が間違ってた


浮気なんかせずに沙菜だけを愛してやってたら苦しむことはなかったのにな
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