君に贈る
「っ‥」


愛理は俯いて黙り込んだ


私はそれ以上聞けなくて黙っていた


愛理が話すまで待つしかない


愛理は少しずつ口を開いた


「あの‥あのね‥」


「うん」


私は愛理を真っ直ぐ見つめた


「私‥裕くんが好きっ‥」


「えっ‥裕?」


コクンと頷く愛理


それで何で泣いてるんだろう?


「好きっ‥うぅっ‥ひっく‥」


泣く程好きってこと?


「そっか。じゃあ今度裕とデートしな」


「えっ‥」


愛理は私をポカンとした表情で見た


「今度裕とでかける予定してるんだけど、裕に内緒で行くといいよ」


「えっ‥」


「あ、そんとき電話で行けなくなったから愛理と行ってきてって電話かけるから」


「‥沙菜「ね?そうしよう?」


そうとなれば早く裕と予定をたてなきゃだね


「愛理はどこ行きたい?」


「沙菜「温泉とかいいんじゃない?」


そうだ、そうしよう


「日にちは早い方がいいよね?」


「沙菜「今度の連休で泊まってきなよ」
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