君と私。
プロローグ
ピピピ~♪
「うっさいなもう。」
朝から目覚ましが私の部屋に響く。
今日は転校初日。だから、今日はいつもより早く目覚ましをかけた。
でもさすがに早かったな。
「まぁ、準備するのにちょうど良いかな。」
私はそう呟いた後、新しい制服に身を包み、黒いロングの髪をセットした。
みんなが私の髪を綺麗って言ってくれるから、切るに切れなくなっちゃったんだよね・・・。
お父さんの仕事の都合なのは仕方ないけど、なんかちょっと寂しいな。
でもここでまたいっぱい友達作れば良いんだもんね。
「大丈夫。ファイトっ私!」
そう言った瞬間、
「は?何やってんの、あんた。」
寝起きでだるそうな、紗希姉ちゃんが私に話しかけてきた。
「え。別になんでもないよ。紗希姉ちゃんこそどうしたの?」
私はちょっと不機嫌気味に、紗希姉ちゃんに返事をした。
「なにその態度、ムカつく。せっかくこのお姉さまが起こしに来てあげたのに。」
まだ全然時間あるのに何言ってるんだろう。この人。
「紗希姉ちゃん、まだ時間じゃないよ」
と、私は笑う。
「あんた昨日8時に出るって言ってなかった?」
まぁ確かに学校まで30分の距離だから、8時で良いはずだけど・・・。
「もしかしてあんた・・・」
紗希姉ちゃんは目覚ましを見た。
「・・・あんたこれ、20分くらい遅れてるけど・・・。」
そんなはずはない。あるはずがない。あってほしくない。
「え・・・う・・そ・・・」
「ほ・ん・と!」
紗希姉ちゃんは勝ち誇ったように言う。
「やーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
私は叫び声を上げ、急いで部屋を出た。
一気に階段を下りて、家を出ようとした・・・と同時にお母さんが私に話しかけた。
「芽衣子ー。ごはん、食べてかないのー?」
こんな状況で食べるわけ無いじゃん。お母さんのばか。
「いらないっ。ていうか今何時?」
「えー・・と今8時10分。」
やばいじゃん!転校初日で遅刻とか、ありえないしっ。
早く出なきゃっ。
「ありがとっ。行ってきます!」
「いってらっしゃ~い。」
お母さんの言葉を背に、私は急いで家を出た。
帰ってきてあんなことがあるとは知らずに・・・。