ふたつ星


「翔さんから離れたのは不正解です。だって、こんなに好きなんだもん……」



私は翔さんの背中に腕を回し、力いっぱい抱きしめ返した。



「俺はきっとお前を離さない。それでもいいのか?」



不安そうな瞳で聞いてくる翔さんに私は笑顔で頷いた。




離してなんか欲しくない。



ずっとずっと一緒にいたい。




「私は翔さんのことが好きです。たとえどんな過去があっても、今、私の見ている翔さんが全てです」




そう告げた瞬間、翔さんの瞳から涙が一筋流れた。




私達は涙を流しながら見つめ合った。




そしてそれが、私達の想いが通じ合った瞬間だった。




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