ふたつ星


笑顔を見たことが無いのは、知り合って間もないからかもしれない。



でも、なんとなく翔さんが笑ってる所って想像が出来ない。



なんだか寂しいな……。




「翔さんって全然笑わないんですね……?」




だから、聞いてしまったんだ。



それなのに、翔さんはその問いに答えてはくれなかった。



ただ無言で私から袋をそっと奪い、肉まんを半分に割る。



そしてその片方を私に渡す。



「まだ少しは温かいから早く食え」



「……はい」



少し腑に落ちないけれど、私は肉まんを口に運んだ。



それを見た翔さんも、肉まんの半分を口に入れた。



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