ふたつ星


何度も止めてほしいと頼んだ。



それなのに真莉奈は止めてくれない。



他のクラスメートも私達の周りを囲んで笑ったり、見て見ないふりをしている。



涙が瞳に滲む。




『哀れな人間だと思え』




翔さんの声が聞こえた気がした。



そう思うと涙が引っ込んだ。




そして、真莉奈をジッと見据える。




「何よ、その目は!生意気なんだよ!」



バチンと盛大な音がして、頬に強烈な痛みが走る。



その声には、いつもの甘ったるさの欠片も無かった。



< 24 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop