ふたつ星


学校を出て歩く私を、すれ違う人みんながジロジロと見つめる。



当たり前だ。



こんなにびしょ濡れなんだから。



水を含んで冷たくなった制服に体温が奪われていく。




寒い。



寒いよ。




当ても無く歩いていたつもりだったのに、いつもの河原に来ていた。




ここはもう、私の心の拠り所なんだ。



ここにいる、翔さんが……。




いつものようにここで寝そべっている翔さんを見ると安心する。



私は翔さんを見つめていた。



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