ふたつ星


心の中で呼んだのが聞こえたのかな?



翔さんが私の方に振り向いた。



そして私の姿を見て目を丸くしている。



小さく手を振ると、翔さんはバッと起き上がって私の所まで走って来てくれた。




「どうしたんだよ!?何でこんなに濡れてんだ!?」



鬼気迫るように私を心配してくれる姿が嬉しい。




「ちょっと、バケツの水かけられちゃいました」



「学校の奴らか?」



エヘヘと笑う私に翔さんは低い声で問う。



「はい、でも平気です。翔さんが言ったように可哀想な人達だって思ったから」



「平気なわけないだろ!!」



< 28 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop