ふたつ星
心の中で呼んだのが聞こえたのかな?
翔さんが私の方に振り向いた。
そして私の姿を見て目を丸くしている。
小さく手を振ると、翔さんはバッと起き上がって私の所まで走って来てくれた。
「どうしたんだよ!?何でこんなに濡れてんだ!?」
鬼気迫るように私を心配してくれる姿が嬉しい。
「ちょっと、バケツの水かけられちゃいました」
「学校の奴らか?」
エヘヘと笑う私に翔さんは低い声で問う。
「はい、でも平気です。翔さんが言ったように可哀想な人達だって思ったから」
「平気なわけないだろ!!」