ふたつ星


「本当に平気なんです……」



首を横に振って大丈夫だと伝えようとするけれど……



「平気な奴はこんなに震えない」



翔さんには嘘はつけないみたい。



私の小さく震える背中をゆっくりと撫でてくれる。




本当は全然平気じゃなかった。



平気だと思い込もうとした。



だけど、出来なかった……。




気持ちを強く持とうと思っても、苦しくて、辛くて……。




「ごめん…なさい」



震える唇から小さく呟いた。



「せっかく翔さんがアドバイスしてくれたのに、私、全然ダメで……」



< 29 / 118 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop