ふたつ星


「謝るな。お前は悪くない」



そっと私の頬に手を添えて、真っ直ぐに私を見て言ってくれた。




“お前は悪くない”




翔さんにそう言ってもらえると、本当にそんな気がするんだ。



翔さんの口調はぶっきらぼうだけど、凄く温かい。



いつも私の欲しい言葉をくれる。




「うぅ……っ」



堪えていた涙がこぼれ出す。



「お前は泣いてばっかりだな」



「ごめん、なさい……」



呆れられたかと思い、とっさに謝ると人差し指で口を塞がれた。



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