ふたつ星
「行くぞ」
「え…は、はい!」
そう言って翔さんは私の手を握ると歩き出した。
どこに行くのかわからなかったけど、私は素直について行く。
歩いている途中、くしゃみが3回出た。
奇数回のくしゃみって不吉って言わなかったけ?
自分で思って、少し怖くなる。
迷信……だよね?
だって、翔さんがこんなに心配そうな顔で見つめてくれるんだから。
暫く歩いて、着いたのは川沿いの大きなマンション。
そしてその一室。
そこは、翔さんの部屋だった。