ふたつ星
いらないもの
慣れた手つきでポケットから出した鍵でドアを開けると、部屋の中に入る翔さん。
手を繋いでいる状態だったので、私も引っ張られて中に入ってしまった。
そしてそのまま廊下を突っ切ってリビングまで連れて行かれる。
翔さんはエアコンのリモコンを入れると、私の手を離した。
あ……。
離れちゃった……。
翔さんの温もりが離れてしまった右手をそっと握りしめた。
「あそこ風呂場だから、シャワー浴びてこい」
ドアを指さしながら言うと、タオルと着替えを渡された。
私がボーっとしている間に用意してくれたみたい。
こくりと私は頷くと、示されたドアに向かった。