ふたつ星
「親がな。俺はただの学生」
抑揚の無い声で帰ってくる。
聞いちゃいけなかったのかと少し不安になった。
そして、カップを2つテーブルに置いて、翔さんが私の隣に座る。
翔さんの分はコーヒーだ。
「うちの親は仕事ばっかりで家庭を顧みない両親。だから俺もさっさと一人暮らし」
少し間が合って、翔さんがポツリと言った。
エアコンの送風音がやけに響いた
「うちは、お父さんもお母さんも弟に付きっきりで、私なんか見てくれないの」
翔さんはゆっくりと私の方に顔を向ける。
「お父さんの再婚で出来た家族だから。二人とも連れ子の私より自分達の子が大事なんだよ」